カーボンニュートラル達成に向けて
水素エンジン車の普及を目指し、
社会の期待に応えられる水素エンジンの
開発に取り組む。

S.R
開発本部 水素・新エネ事業推進室
工学研究科 機械工学専攻修了
2018年入社
自動車のエンジンが好きで入社。入社後、必要とされる知識の選定と習得、活用までの流れを把握することが大切と感じ、さまざまな経験と新しい技術習得に力を入れている。

My Work
自分が担っている仕事とは

水素は化石燃料の代替として注目されていますが、エンジンの燃料として使用する場合は、既存のエンジンでは燃焼が不安定となり、動力源としての使用に耐えうる性能を発揮することができません。性能向上のためには各部エンジン部品や制御系といったハードとソフトの双方を新たに設計し、水素向けエンジンに改造する必要があります。その改造技術の研究開発をCAE(コンピュータ支援による工学解析)技術や実機試験を用いて行うのが私の仕事です。また開発した水素エンジンの実用化に向けて搭載車両の企画も併せて進めており、水素エンジン搭載車両に関する法規の調査や基本設計なども行っています。こうした業務を通じて大学やOEM、他の自動車部品メーカーの方々とやり取りを行う際の窓口も担当しています。2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、さまざまな業務を進め水素エンジンを普及させることが、水素・新エネ事業推進室の使命です。

Job Satisfaction
仕事のやりがいと魅力

なんと言ってもエンジンそのものの開発に携われることが魅力です。水素エンジンの性能向上のためには、材料や熱流体、燃焼に関する知識等を幅広く活用する必要があり、日々試行錯誤を重ねる過程で、自然と多分野の技術に触れることができることが興味深いです。また現在所属する水素・新エネ事業推進室への異動と同時に、環境省の「水素内燃機関活用による重量車等脱炭素化実証事業」に関わり、エンジン開発を担当されていた東京都市大学に1年半ほど駐在する機会がありました。そこではプロジェクト業務の円滑化や図面製作、実機試験データの解析や数値流体計算などで、プロジェクトに参加していた他の大学や部品メーカーの方々などと連絡を取り合う必要があり、大変でしたがとても貴重な研鑽を積み、人脈も拡がりましたし、現在も研究活動や学会活動などで技術交流が続いています。

My Favorite
リケンNPRの一番好きなところ

一人ひとりの意思を尊重する風土が根付いています。入社後は、機能解析室でエンジンオイル挙動の流体解析を担当していましたが、2021年12月の水素・新エネ事業準備室の立ち上げに向けて社内公募があり、迷わず手を挙げました。翌年の4月に水素・新エネ事業推進室としてスタートしましたが、業務の進め方について何かに強制されることはなく各自に任せてもらえます。もちろん最終目標や期日などはあらかじめ設定されており、スケジュールや手法の妥当性について明確に説明できるようにする必要はありますが、その過程をフレキシブルにすることで、与えられた課題に対する理解度が高められることや、問題解決能力の向上につながっていると感じています。職場内の環境においても上司や先輩などの関係はあまり形式張ったものではなく、一人ひとりのエンジニアとして自由に意見交換でき、とても風通しの良い環境です。

Career Vision
挑戦テーマとキャリアビジョン

現在、水素エンジンの性能向上に向けて台上での評価を行っており、今後は実用化に向けて車両に搭載した状態での評価を行う予定です。ただ、実用化から普及に向けては安全性の確保が必要不可欠です。具体的には長期使用時の各部品の信頼性についての評価を進めることや、万が一故障が発生した際にシステムを安全な状態に移行させる仕組み(フェイルセーフ)などを適切に付与することが必要です。また改造に要するコストや整備性の観点から、水素エンジン部品の構造や制御系をさらにシンプルにすることも課題です。そうした課題を解決していくために、新たな分野の技術の取得に併せて現状の技術開発も推進することで、幅広い分野に知見を持つエンジニアを目指しています。そして水素・新エネ事業推進室では水素エンジンや車両の開発と併せて、柏崎に自社の水素ステーションの建設も進めていますので、これまで培ってきた社内外のつながりを最大限に活用して、一日も早い水素エンジン車の普及を目指したいと思っています。

Career Vision
挑戦テーマとキャリアビジョン

7:45
出社
8:00
朝礼
8:20
当日のスケジュール確認
8:30
水素エンジン関連の試験・計算データ管理
10:15
吸気系部品の設計、CAD形状作成
12:00
工場内の食堂で昼食。安くて美味しいです
12:45
数値計算のセットアップ、実行
14:00
車両の基本設計
15:00
特殊車両メーカーとオンライン会議
16:00
試験データ分析、計算状況確認
17:00
退社

My Off
休日の過ごし方

昔から車の整備・調整などが趣味で、製造されてから30年近く経過している古いロータリーエンジンの車種に乗っています。あまりにも古い年式で、思いもよらないところも壊れるので、整備書片手に修理しています。またモータースポーツを観戦するのも好きで、古くからの友人たちとレースを現地観戦しに旅行しています。希望する座席を確保するのが大変ですが、鈴鹿サーキットには毎年F1を観に行っています。年に1回の楽しみです。